令和
シーシャを吸いながら曲を作ろうとPCを持って店に来たけど、イヤホンが壊れていたので仕方なく文章を書く。
今日、令和元年5月1日、昨晩から今日の昼まで遊び歩いていたので正午に就寝して目覚めたら21時。
大学生の頃と違い一日中呑み過ごしても二日酔いになることはなくなった。
街へ出ると道行く人はみんなイヤホンをして歩いている。
小学生の頃の教科書に載っていた「ユビキタスコンピューティング」という言葉も、「ウェアラブルコンピュータ」という言葉もすっかり聞かなくなったほど当たり前になった時代。
自分の言葉は心の奥にしまって、誰かの言葉でiPhoneが振動するのを外腿で感じる。
政治家のポスターには一様に「実行力」の文字。
実行することが考えることよりも難しい。
足踏みするほうが前に進むより簡単だ。
名前は思い出せないけれど見覚えのある顔を吉祥寺の商店街で見かけた。
知り合いだったかもしれないけど、知り得ない時間が山程あって、ぼくらは声を掛けずにすれ違う。
小学生4年生。好きな子が名古屋に引っ越した。
毎月手紙を送ってほしいと言われたけれど、ぼくは携帯のメールアドレスと電話番号を教えて一度も手紙を送らなかった。
彼女から電話がきたことはない。メールもない。
手紙だけが毎月かかさずに送られてきた。
ぼくが薄情であったようにも思うし、時代が薄情であったようにも思う。
タバコの煙が住宅街の明かりに紛れて消える。
何もかもが早すぎた。平成。