GW明け 朝

死体を探して線路を歩いてきたものの結局見つけたものは自分の死体でした。ってオチのシックスセンスみたいなスタンドバイミー。

 

病院通いの夢から覚めた。

さっきまで片足を引きずっていたぼくは、倦怠感を引きずって会社に行く。

 

子供を後ろに乗せて自転車を漕ぐサラリーマンを横目に、タバコを咥えて憂いを吐く。

 

駅のホームは人で溢れかえっていて、蛇の交尾のように複雑な列をなしている。

 

高円寺を過ぎて、中野も過ぎた。

もうなん時も過ぎて、幾度も過ぎる。

 

思いがけないことも、思い描けないことも、全てを黄色い線の中に置き去りにして満員の電車に無理やり乗り込む。

 

線路に降りたら危険だって知ってる、選択肢を棄権して俯く人のスマートフォンにポルノを流したい。

 

過ぎ去った全部をボストンバッグに詰めて線路を歩いている人が電車に轢かれそうになっても「あぶない!」なんて絶対に言えない。

 

言えるわけない。

たぶんきみも。