私小説 ひきこもり中学生、近所のJKをナンパ
ひきこもりの1日は永遠よりも長い。
ぼくはこの日をずっと待っていた。
月曜日 15:30 終業のチャイムが聞こえる。
ぼくはベッドから起きて鏡の前でブレザーに袖を通す。
「サイズ全然合ってねぇな…」
再従兄弟の家から勝手に持ち出した制服はぼくが着ると完全に萌え袖だ。
髪をとかしながら双眼鏡で外を見る。
あの子がきた!
階段を猛ダッシュで降りて外に出る。
家の玄関から高校の校門までは50メートルもない。
しかし、人生で1番大切なことはタイミングなのだ。
どっかの海外ドラマで聞いたセリフを思い出しながら、ぼくは家を出て校門前で彼女をまちぶせる。
喧嘩に巻き込まれて私立中学校を退学になるなんて本当にバカだ。
中学校を3年生の秋に退学になったぼくは、別の私立中学に転校しつつ、新しい学校のクラスメイトたちの仲に水を差さないように優雅なひきこもり生活を営んでいた。
学校を辞めたものの前の中学の友達から一切の連絡はない。
それもそうだ。
ぼくが退学になったタイミングで親友の竜司も一緒に退学になっていた。
竜司の退学は、ぼくとは全く別件で
ぼくの当時のバンドメンバーにして唯一のミッシェル好きの友達である安田を妊娠させたせいだった。
ぼくとあいつが学校に来なくなってから、当時のクラスメイトたちの間では、ぼくらが安田をマワして妊娠させたことになっているらしい。
ぼくが安田のことを好きだっただけに、ぼくは竜司を許せずに全ての友人を失った。
そして、いかんせん。
今、ぼくは高校生の制服を着て家の目の前の高校の校門でJKを待ち伏せしているのであった。
つづく